インタビュー:NetCommonsカスタマイズ事例 NPO法人多摩サロン様
NPO多摩サロンは平均年齢70才の技術者団体で、多摩バリアフリーマップというサイトをネットコモンズで運用しています。
そのカスタマイズと運用サポートをオープンソースワークショップで担当させていただいていますので、紹介させていただきます。
システム概要
地域を中心に活動するNPO法人多摩サロンの運営するバリアフリーマップ。これは、データベースを使用してITに詳しくない人でも、地域のバリアフリー情報を調査し、登録が可能なウェブサイトです。ピクトグラムの入力のしやすさなどに工夫をしています。
カスタマイズ期間:1ヶ月(主となるカスタマイズ部分)
多摩サロンの十文字さんと山本さんにお話をお聞きしました。
インタビュー
ネットコモンズをどうやって知ったんですか?
昔に、大学でeラーニングを教えていて、学生と一緒にいろいろなパッケージを使っていました。NIMEが開発したexCampusとか、xoopsとか、Moodleとかいろいろ使っていました。
exCampusをカスタマイズして、教材サイトを作ったこともあります。
大学を卒業してから、そういう機会はなくなったんですが、
ネットコモンズは知っていたし、興味があったんです。
多摩市がバリアフリーマップという本を出していて、2003年に50人が170施設を調査して、マップも手書きで作っていたんですが、これを電子化したいという話しがあったんです。
そのとき、山本さんに相談したんですが、2人ともネットコモンズは気になっていたので、ネットコモンズ初級講座に参加してみました。
そして、すごい使いやすい!と感動して帰ってきたんです(笑)。
サイトの管理の仕組みが魅力的だったし、他のパッケージは教材システムだったけど、ネットコモンズはメンテナンスやセキュリティがしっかり考えられていました。
なぜオープンソースワークショップに仕事を依頼したんですか?
ネットコモンズをインストールして使っていると、いろいろ気になるところがでてきたので、ネットコモンズナイトという東京のイベントに参加してみたんです。
そこで、オープンソースワークショップの永原さんと出会いました。
いろんな質問をしましたが、すべて的確に答えてくれて、この人は信用できると思ったです。
我々は多摩バリアフリーマップというサイトでネットコモンズを使っていますが、ユーザーの利便性を考えたときにカスタマイズが必要になりました。
そのときに、永原さんにお願いすることにしました。
なぜネットコモンズを選んだんですか?
いろいろありますが、箇条書きにすると以下のような感じです。
- 国立情報学研究所が年月をかけて開発したソフトなので、信頼でき、将来長く使用できると判断(信頼性、継続性)。多くの導入実績も魅力的であった
- オープンソースとして公開され、NC公式サイトにおける、開発・普及メンバのサポート体制が信頼できた(信頼性、経済性)
- いろいろな機能がモジュール化されており、クリックだけでそれらを使えるため、操作が簡単で、初心者でも使える。また、編集エリアに、WYSIWYGと呼ばれる高機能エディターが採用されており、ワードの知識で編集できる(操作性)
- 搭載されているモジュールが約30(デフォルトでは25)もある(高機能)
- CMSだけでなく、グループウェアーやSNSとしての機能、E-Learning機能も備えているので、多摩サロンの活動に有効である(多機能)
- ルームの概念を使えば作業の分担ができるので、大規模のサイトの作成も可能。また構築後の維持・管理もし易い(継続性)
他に検討したパッケージは何ですか?
市販のソフト、マイクロソフトのフロントページ、など
他にどんなパッケージを使ったことがありますか?
IBMのホームページビルダー(Ver11)、Dreamweaver
システム導入で何が便利になったんですか
市民がインターネットで、生活安全・安心情報を容易に入手できるようになったのが何よりも大きいです。
そして、その情報更新が低コストで可能になったのも重要です。
オープンソースのネットコモンズのおかげです。
多摩サロンとは
「多摩サロン」は、昭和62年(1987)に発足した「多摩ハイテク研究会」を母体として、平成13年にNPO法人多摩サロンとして再出発しました。
その中でとくに次のような実践活動を進めています。
- 多くの市民団体との連携を深め、社会に向かって発信力を発揮すること
- 地域の活性化に役立つ技術の利活用や、ITなどのスキルアップ
- 新しい時代を担う子どもたちに、これまで社会を築いてきた人々の生きかたを伝える
「NPO法人多摩サロン」は、このような活動理念に関心を持ち、また、ご賛同くださる方のご参加を願っています。
どのような分野でも、世の中になにか役立ちたいと思っておられる方は、私たちとご一緒に楽しく活動しようではありませんか。
行政のサイトに警察、消防などの情報は掲載されていますが、バリアフリー情報はありません。だから、我々が多摩市のバリアフリー情報を発信しています。
多摩市以外でも、観光地なのにバリアフリー情報がないところはまだまだ多いです。
我々の取り組みのノウハウをいろんなところに共有していきたいと思っています。それはシステムだけでなく運営の仕組みなども含めてです。
そういういい事例になっていきたいと考えています。
こういう活動は高齢者の生き甲斐になる可能性があると思っていますので、これからも頑張っていきます!
十文字 弘道 東大生研、NTT通研、リコーを経て、2002年退職。その後大学実験講師、企業の若手技術育成支援。多摩サロンには2002年に参加。IT歴はZ80以来、DIY主体で、自作PC、home-networkなどにもチャレンジ |
山本 昭男 元KDDで、ネットワーク計画、海外勤務(ニューヨーク5年)、海底ケーブル計画、建設、保守の仕事に従事。1997年退職。その後関連会社で光海底ケーブル製造を担当。2006年多摩サロンに入会、2008年NetCommonsに遭遇。 |